吉祥寺からバスに乗って「三鷹天命反転住宅」へ
イン メモリー オブ ヘレン・ケラー
私は少年期、JR中央線「武蔵境」駅が最寄りの、武蔵野市境南町に住んでいました。少年のころの行動範囲で、適度に遠いキョリとして、身近な存在にあったのが、通称「30m道路」と呼ばれた東八道路でした。東京都が整備を進めるなかで、三鷹市役所付近や、杉並区高井戸付近など、さまざまな場所で「反対運動」がありながらも、我が武蔵境周辺は、比較的早く整備が整い、幅員の大きな道路は当時では珍しく、よく自転車で走りに行っていました。
そのような「東八道路」に2005年、突如として、異彩を放つ建物が出来上がります。私は29歳のころでした。その頃は、すでに不動産業に従事していましたので、この不思議な建物に興味深々でした。つい最近も、ランニングで通った時に「パチリ!」
建築概要
建物名:三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー
所在地:東京都東京都三鷹市大沢2-2-8
交 通:JR中央線「吉祥寺」駅 バス「武蔵境駅南口」行 25分
建築設計:荒川修作+マドリン・ギンズ、安井建築設計事務所
建築施工:竹中工務店
竣 工:2005年10月
主要用途:共同住宅
構 造:壁式プレキャストコンクリート造、鉄骨コンクリート 造一部鉄骨造
建築面積:260.61㎡
述床面積:761.46㎡
建物について(出典:三鷹天命反転住宅公式ホームページ https://www.rdloftsmitaka.com/)
三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller は、芸術家/建築家の荒川修作+マドリン・ギンズによる、世界で最初に完成した「死なないための住宅」です。この全部で9戸の集合住宅は、内外装に14色の鮮やかな色が施され、一部屋一部屋の色の組合せが全く異なることから、「極彩色の死なない家」(瀬戸内寂聴氏)として、東京西郊外の三鷹市のランドマーク的存在にもなっています。2005年の完成以来、世界十数カ国から人々が訪れ、数々の新聞・雑誌・TV・インターネットサイトにも紹介をされ続けていますが、この建物の大きな特徴は訪れた人の身体を揺さぶる感覚が、人間の持つ可能性に気づかせてくれることにあります。私たちが多くの時間を過ごす住宅。荒川修作+マドリン・ギンズの長年の研究から、一人一人の身体が中心となるよう、設計・構築された空間と環境は、建築界にも大きな衝撃を与えています。また、芸術作品の中に住める住宅として、今後の芸術が担うべき社会での役割の新しい提案ともいえるでしょう。「死なないための家」、そして In Memory of Helen Keller ~ヘレン・ケラーのために~ と謳われる理由には、さまざまな身体能力の違いを越えて、この住宅には住む人それぞれに合った使用の仕方があり、その使用法は自由であるということが言えます。3歳の子どもが大人より使いこなせる場所もあれば、70歳以上の大人にしかできない動きも生じます。私たち一人一人の身体はすべて異なっており、日々変化するものでもあります。与えられた環境・条件をあたりまえと思わずにちょっと過ごしてみるだけで、今まで不可能と思われていたことが可能になるかもしれない=天命反転が可能になる、ということでもあります。荒川修作+マドリン・ギンズは「天命反転」の実践を成し遂げた人物として、ヘレン・ケラーを作品を制作する上でのモデルとしています。三鷹天命反転住宅は、私たち一人一人がヘレン・ケラーのようになれる可能性を秘めています。その意味において、三鷹天命反転住宅は「死なないための家」となるのです。現在、一部を賃貸住宅として、また一部は教育・文化プログラムを発信する場として、荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所(株式会社コーデノロジスト)が管理・運営を行っています。
実のところ
見れば見るほど、特徴的なその建物に、心が惹かれていきます。
お恥ずかしながら、実のところ、私はまだ一度も室内へ立ち入ったことがありません。今年こそはと、前を通るたびに思うのですが、日常生活とともにその思いは、風に乗って消えてしまうのです。第2回目のこのBLOGに記させていただきました(笑)ので、2025年10月に20周年を迎えますので、その機会に足を運びたいと思います。
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