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    週刊不動産経営 街づくり最前線「吉祥寺エリアに賑わいを」

    週刊不動産経営とは、
    不動産市況から経営ノウハウまで一挙公開する、 ビル経営者および不動産関係者のための業界専門紙。1994年創刊から30年を機に「週刊ビル経営」から「週刊不動産経営」へ2024年にリニューアル。

     

    仲介会社の知見生かしオーナーの収益化に貢献

    既存ビルのバリューアップを地元の不動産会社がプロデュースする事例もある。ユニバーサル・リアルティ(東京都武蔵野市)は、吉祥寺エリアを中心に不動産仲介事業を展開している。同社では昨年より、吉祥寺の既存不動産を活用したレンタルスペース事業「7つの夢」の企画・運営を行っている。同プロジェクトで最初に手掛けたのが、築50年の白い小さなビルだ。延床面積72㎡、ワンフロア24㎡のコンパクトな地上3階建て。アパレルショップや雑貨屋などがならぶ「大正通り」に位置する。同物件のオーナーはもともと紳士服屋を営んでおり、1階が店舗、2~3階をオーナー一家の居住スペースとしていたが、オーナー一家が引き上げることになり全フロアの改修を行った。2~3階の階段には非常用照明を設け、透明ガラスを網入り防火ガラスに刷新。事業者向けの消火器を設置するなど、消防法と建築基準法に遵法するための工事を施した。1階の内装は既存店舗の設えを生かしながら緑の映えるデザインに造作、3階はスケルトンとした。レンタルスペースとしての運用を想定していたが、現在は学習塾が全フロア賃貸している。 2つ目に着手したのが「7つの夢 井の頭公園」。白いファサードと円形のアプローチが目を引く店舗物件だ。井の頭公園からほど近く、個性的なアパレルショップ、雑貨屋、カフェなどが並び若者でにぎわう七井橋通りそばに位置する。現在は地元のIT企業が一括で賃貸しているという。会社の規模に対して建物が広いこと、従業員が出社しない日に収益化をしたいという要望があったことから、土日のみの曜日貸しによるPOPUPスペースを提案。63㎡の空間に防火素材のパーテーションを設けた。利用料金は通常で1日につき3万4700円ほど。現在は隔週でアパレル等のPOPUPショップが借りている。

      

    地元舞台の映画とコラボ「夜の繁華街」イメージ刷新

    今年から新たに計画を始めたのがJR「吉祥寺」駅から徒歩3分、北口の目抜き通りから1本入った「ベルロード」に面する地上3階建ての「寿々木ビル」だ。同ビルが立地する路地はガールズバーやキャバクラなど、「夜のお店」が入る中小規模の築古ビルが林立している。多くの若者が行き来する井の頭通りやサンロード商店街とは対照的なディープな雰囲気が特徴的だ。「寿々木ビル」にも今もガールズバーなどが入居していという。今年に入りオーナーが世代交代をしたことから、夜のお店のイメージ刷新を図る運びとなった。ビルのイメージ向上として、11区画のうち1区画をレンタルスペースにしたほか、シャッターアートを施した。経緯について玉岡氏は「武蔵野商工会議所でアート分科会が発足し、シャッターアートがやりたいねと話していたところでした。ちょうど吉祥寺を舞台にした短編映画『思い立ったが吉祥寺』のクラウドファンディングを8月末までやる予定だったこともあり、期間限定で『寿々木ビル』のシャッターに映画のジャケットを描くことになりました。それに加え、空室期間の短縮化、ポータルサイトを用いない新しいリーシング手法の模索に貢献したいという思いも背景にあります」と話す。「寿々木ビル」は現在レンタルスペース以外の全10区画が稼働中。「利益よりも地域貢献」というオーナーの理念のもと、賃料の値上げは行っていない。「吉祥寺」駅近のアクセス性も後押しし、小料理屋や推し活カフェなど今まで入っていなかった業種も入居している。レンタルスペースは10月から写真家が短期間でギャラリーとして借りたほか、楽器演奏のスタジオとして個人に貸す予定も控えている。通常のレンタルスペースは騒音トラブルを懸念して楽器演奏を断るケースが多いが、日中の活動をある程度自由にできるのは、夜の営業がメインのテナントが集まっている利点だ。「寿々木ビル」のレンタルスペースの収益は、ユニバーサル・リアルティとオーナーでシェアするという。 

     

    地元仲介が担う意義「遵法性の確保が課題」

    「7つの夢」ではオーナーの希望や不動産の特徴に応じて「一括借り上げ」、「指定曜日のみの借り上げ」、「運営受託を伴う借り上げ」の3パターンを採用している。吉祥寺はここ10年程で駅ビルを中心に再開発が進んだ一方、北口のアーケードや裏通りには旧耐震のビルが未だ多く並び防災面等の遵法性の担保に課題が残る。地元の仲介会社が法律上の問題をクリアにしたうえで物件の収益化に挑む意義について、玉岡氏は次のように語る。「今はテクノロジーの技術で収益性を高める試みが不動産のスタートアップを中心に目立ち始めていると感じます。一方で不動産の協会に登録している事業者の9割は10名未満の小さい会社で、リテラシーがまだ追いついていない側面もあります。こうした小規模事業者への訴求もかねて、人口減少をはじめとする地域課題に取り組んでいきたいと考えています」。

     

     

     

    『吉祥寺 店舗・オフィス・事務所・テナント 不動産のことなら、ユニバーサル・リアルティ株式会社にお任せください』

     

     

     

    #不動産プロデューサー #7つの夢 #ユニバーサルリアルティ