【週刊ビル経営】第501回吉祥寺編で取材を受けました

【仲介会社の目】

吉祥寺は半年サイクルで商業テナントのトレンドが変化しています。ここ数年では中古品の買い取り店、無人ジム、塾、ネイルサロンなど。今、動きが盛んなのは飲食店です。特に地方発祥のチェーン店、昼飲みができる業態の出店意欲は高いです。低層で1棟貸し物件が多いこと、日中の人口が多いことから、看板効果を狙ったテナントに選ばれています。
東急百貨店の裏手である中道通りや大正通り等では、個性のある個人店が活況であることから、路面店へ大手スポーツ・アウトドアの世界的ブランドが出店をはじめ、更なる人流を生んでいます。百貨店のショッピングモール化が、背景にあると考えています。
一方で、コロナが5類に引き下げられて以降、中規模チェーン店の退去が目立ち始めました。吉祥寺はコロナ禍でも元気な街として知られていましたが、コロナが落ち着いて都心への通勤やインバウンド回復が顕著になり、都市部の人流が増加したことから、吉祥寺を離れて、都心部へ出店を見直す動きがうまれたことが要因だと考えています。また、都内の観光地に出店需要が流れる傾向は感じますが、それも一時的であると思っています。
現在は、同じく中央線沿線で「中野」駅前の再開発が盛り上がっています。吉祥寺にはセキュリティ対策が万全な新築ビルが少ないので、再開発エリアにオフィス需要が流れる懸念はあります。井の頭公園をはじめとした自然豊かな吉祥寺のブランド力を生かしたリーシングが、今後は必要になってくるのではないかと思います。

 

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